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概念はたがいに反発し合う時に強力となる [心理学]

ドイツの哲学者ゴットフリート・ライプニッツは「微小知覚」を提唱した。

それは様々な事象を知覚し、その記憶を貯蔵しているのに、その事に気付かない知覚を言う。

ヨハン・フリードリヒ・ヘルベルトはそれを拡張して観念という概念を定義した。


先ず、経験と感覚が結びついて、観念を形成する。

類似の観念は、共存及び結合し、非類似の観念は互いに反発し合い対立し合う力と化す。

ある観念は、他の観念より好まれ、ある閾を超えて好まれた観念は、意識の内に止まる。


閾を超えない観念は、意識を離れて、無意識的な観念と化していくと主張した。

ヘルベルトによれば、諸観念は諸感覚の結合から得られる情報として形成される。

ヘルベルトが観念を表すのに用いる用語「表象」には、思考や心的イメージはおろか、情動的状態も含まれる。


これらが心の全内容を為しているが、ヘルベルトはそれらを静態的要素ではなく、活動し相互作用を及ぼす力学的要素とみなした。

観念は、丁度磁石のように、他の観念や情動を引き寄せ、それらと結びつき、更には拒絶する力を持つ。

色彩と音調のような類似の観念には、互いに引き寄せ合い結合して、一層複雑な観念を形成する力がある。


ヘルベルトは無意識を単に微弱な若しくは対立し合う観念の貯蔵場所と見做した。

意識に2つの場所を設定し、きっちりした閾によって分割する事で、健常な心の内で諸観念をやりくりする為の構造的な解決法を提起した。

程なくして、ジグムント・フロイトが、心を遥かに複雑で奥深いメカニズムと見做すようになる。


フロイトは、ヘルベルトの考えを自身の無意識的衝動の理論と結びつけることで、20世紀において最も重要な役割を演じることになる治療法である精神分析の土台を形作った。





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