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ビネ━シモン式知能検査 [心理学]

ダーウィンの「種の起源」によって進化論が明らかになり、知能が遺伝学的に固定されるものなのか環境によって変化しうるものかと言う論争にとっての大枠を提供した時代にアルフレッド・ビネは登場した。

このブログで紹介した「精神生活は生命の始まりと同時に始まった」と結論付けたヴントは知能分布(IQ)という考えを提起して、知能を計測する試みを行った。

ビネは知能について自身の2人の娘の成長への関心から独学ながら興味を持ち、パリのジャン=マルタン・シャルコーとの7年に亘共同研究から、理解と正確さ、入念な計画に基づく実験手法が不可欠である事を学び取った。


1899年に教育の為に作られた新しい組織(児童の心理学的研究の為の自由組織)に参加するよう要請された。

この頃フランスでは、6才から12才の間学校に行くように義務となった所でもあった。

この自由組織におけるビネの活躍を見て、政府が主催する委員会に参加して、幼児の学習能力を評価する為の方法を考案するよう求められ、健常な子供と知的に障害のある子供の違いを明確にし、測定手段開発が課題となった。


ビネは、この課題に取り組むに当って、ソルボンヌ大学のビネ自身が1894年以来室長を務めていた心理学実験室の研究員であったテオドール・シモンの協力を仰ぎ、2人の実り多き共同研究が始まった。

これによって、知能テストで計測できるのは、特定の時点と特定の文脈における個人の心的能力だけと分る。

能力は短時間で変化することがあり、発達過程の一部として見た場合には、長期的なスパンで変化してゆく。


知能は各人の生涯を通じて変化行くものであり、個人の知能は量的に一定しないと結論付けている。

1905年にビネとシモンは、「白痴・精神薄弱・魯鈍状態を診断かる為の新たな方法」を作成し、3才から13才迄の子供を対象とした改訂版は「ビネ━シモン式知能検査」と名付けられた。

子供の観察に費やした長い年月を基に、ビネとシモンは、異なった年齢の子供達の平均的能力を反映した一群の課題を用いて、少しずつ難易度の上がっていくテストを30も作り、能力を発揮するのに重要なのは集中と断定した。


その後、ビネ━シモン式知能検査はビネの死後米国で乱用され、ビネの想定外の結果を招いている。





このブログと同じく力を入れていますので、楽しんで頂ければ幸いです

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