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父親は無言のルールに服していると主張するギー・コルノー [心理学]

 フランス出身のカナダの分析家ギー・コルノーが、1991年に『男になれない息子たち』を公刊する迄は、心理学は男性同士の情動的コミュニケーションには殆ど関心を示さなかった。コルノーの著作は男性の世代間での親密な会話の難しさを検討した。それによると、その狙いは自分の父親との情動的結びつきを作り出す事にあった。手を差し伸べて是認を求めても、帰ってくるのは沈黙だけだった。


賞賛を抑制する

 コルノーも認めているように、こういった成行は男性にありがちなパターンだ。男性は往々にして、息子に賞賛や愛着、承認を与えるのが下手だ。息子はこうした沈黙を経験すると、強い印象を与えようと更に頑張ったり、或は逆に撤退したりする。だが、沈黙は取消難く子供の心に刻み込まれる、とコルノーは指摘する。こうした現象は、男性の自我同士の間での競合的な相互作用に由来するのかも知れない。自分の息子に惜しみない賞賛を与える父親は、何処かで自分のパワーを抑えて、余り押出さないようにしているのだろう。息子の観点に立つなら、少しの抑制に無しに余りに簡単に賞賛を得られると、もはや父親は強い印象を残す存在ではなくなる。殆どの社会形態において、男性が強くて同時にオープンである事は有り得ないという信念が認められる。

 コルノーに言わせれば、こうした行動こそが男性に仇なす元凶だ。この為、男性は自分の息子に自分の感情を表明する機会を失ってしまう。その結果、息子の方はそうした感情を受取る事なしに進む事を余儀なくされるのだ。

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