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催眠療法から無意識の発見へ [心理学]

エジプトやギリシアといった古い幾つかの文明では、病気になるとトランス状態を求めて「眠りの寺院」へ行く事がを普通の習慣と化していた。

そこでは特別な訓練を積んだ僧侶から示唆を受けて疑似催眠状態に陥り、癒しに繋がっていた。

1027年に医師アヴィケンナがトランス状態の特徴を記し、それを18世紀に医師フランツ・メスメルにより「ヒーリング療法」を開発し、患者の苦しみを軽減させたが、数年後ポルトガル領ゴア出身の僧侶であったファリア師はメスメルが開発した治療法の根幹であった磁気を否定して、トランス状態乃至「明晰な睡眠」は暗示の力に拠るものと1819年に出版した「明晰な睡眠の原因について」で論究した。


ファリア師は患者を椅子に座ってリラックスさせ、睡眠を考えさせ、穏やかに威厳を込めて「眠れ!」と命令すると彼らは明晰な睡眠に入って行くと論じている。

1843年に外科医ジェイムズ・ブレイドがファリア師の思想から催眠と言う言葉を造った。

ブレイドによれば「催眠とは睡眠の1タイプではなく、被暗示性が強められた結果としてひとつの観念に意識が集中している状態」と説明している。


暫くして、フランスの神経学者ジャン=マルタン・シャルコーがトラウマを持つヒステリーの治療に意図的に催眠を用いだし、効果を上げた事でヨセフ・ブロイアーやジグムント・フロイトが催眠に注目し、催眠そのものの背後に潜む衝動に問いを向け、無意識の力を発見する事となる。

病の治療が無意識の発見に繋がるとは驚きである。

しかし、フロイトの時代は仏教の唯識思想が西欧に輸入されていたから、そこらも疑う必要がある。




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